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初診日・特殊事例

社会的治癒(両混合性難聴)

聴覚障害に関する社会的治癒について、その主張が認められた事例です。

事例 男性・57歳(申請時点)
申請:平成30年
結果:障害厚生年金2級(事後重症)

一番の初診は、小学校入学時の学校の健診にて難聴を指摘され、その自覚もあったので、この頃から既に補聴器を使用し、学校では先生の話を聞き取りやすいように一番前の席にしてもらっていた。中学校の時も同様で、補聴器をずっと使用していた。
そして、高校入学した時点では、なぜだか理由はわからないが、補聴器なしでも会話が普通に聞き取れるレベルに回復していた。
その後就職し、40歳くらいまでは普通に生活が出来ていたが、平成12年に、職場の同僚から呼んでも反応がないなどを指摘され、耳鼻科を受診。補聴器の使用が必要な程度に悪化していることがわかる。そして、症状はこの20年弱の間にも徐々に進行して今に至る。

当事務所による解決

ご依頼を受けまして、上記のような内容のお話を聞き取り、実際に高校卒業時に行われた聴力検査を保管されていましたので拝見しましたところ、確かに正常な数値となっていました。
比較対象として出すには好ましくない人物ですが、これを聞くと佐村河内守氏のことが頭に浮かびました。佐村河内氏は昔は本当に聴力がなかったけれども、その後なぜか回復したという話でしたけれども、私も世間の人と同じく「そんなことホントにあるのか~~?!」と疑ってはいたのですが、実際に自分の依頼者がエビデンスをもってそういうことはなぜかはわからないがあり得ることだと示してくださったので、耳鼻科領域においてあり得る事象なのだなと理解しました。
佐村河内さん疑ってスミマセン。で、回復したとしても、そのことを言い出しにくかったのかな、ということも理解できないわけではないですが、でもゴーストライター使って世間を欺いていたのはよろしくないのではとも思いますが。

・・・話がそれましたが、本件ですが、回復した後に再び悪化に転じたというケースです。幼少時が初診日だとすればもちろん障害基礎年金となりますが、回復後悪化して耳鼻科を受診した時点が初診日だとすれば障害厚生年金となりますので、社会的治癒を主張して、回復後悪化した平成12年を初診にする方向で動きました。
幸い、エビデンスとして、高校卒業時の検査結果及び20代後半にも転職時に検査を受けておられてその検査結果も保管されおられ、いずれも生活に支障がないレベルの値であることが確認できましたので、それらを添付して障害厚生年金の申請を行いましたところ無事主張が認められ、2級の障害厚生年金が支給されることが決まりました。

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