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【注意】受注率という指標は無意味な指標です【よく考えて】

受給率とは何なのか?

よその社労士事務所の障害年金のサイトで、
「当事務所の受給率は○○%!!」
みたいなことを謳っているところが散見されるようです。

基本的には、よそはよそうちはうちというスタンスなので、あまりよそ様のことにコメントする方針ではないのですが、この受給率という指標だけは無意味というか、有害な指標にもなり得るのでちょっとどうかと思うというのは表明しておきます。

受給率という概念はうちはそもそも用いていませんが、ざっと以下のような問題点があると思います。

【問題点その1】そもそも受給率の計算方法とかこの概念の狙いがわからない

当職が思ったのは、そもそも受給率というのはどういう計算式で算出するものなのかという点。
(どういう形であれ受給ができた件数/その事務所で受任した件数)
ということなのでしょうかね?

他の業態でいうところの顧客満足度を数字で表そうみたいな狙いがあるのかもしれませんけど、でもこの場合分子には、

・2級で通ると思ったら3級だったので不満だ
・認定日まで遡及すると思ったら、事後分だけだったので不服だ

というようなものも入ってくるということではないんでしょうか。だったら顧客満足度を測る指標としてもちょっと不備があるのではないでしょうか。

【問題点その2】受給率を上げる方法

受給率というものが上記の計算式で算出されるとして、その社労士が腕がいい社労士だということを示すものにもなりえていません。なぜなら、簡単そうな事案しか受任しないという方針でやってれば受給率は100%に近づくからです。

障害年金申請のご相談をお受けすると、

①通る可能性が高そうな事案
②どうなるかわからない事案
③恐らく通らないであろう事案

の3つに大別されると思います。

③については、うちも期待をお持たせするのも申し訳ないので、通らなそうな理由をご説明してお引き受けはしませんし、①は基本的には前向きに受任させていただきますのでそれはいいと思うのです。

問題は②をどうするかということですけど、受給率にこだわる社労士事務所はこれも全部断っていってるはずです。でも、専門家としては②が一番腕の見せ所なはずですし、どうなるかわからないから断るというのでは相談者からすれば、「社労士とかいうけども、じゃあお前の存在意義は何なんや?」と言われかねない部分ではないかと思います。

また、特に開業2~3年程度の歴の浅い社労士などは場合によっては③も含めて積極的に受けていかないと経験値も上がっていかず、ずっとレベルが低いままだと思います。

【問題点その3】誤解を招く表現だという点

結局のところ、障害年金というのはどうやっても通るものは通りますし(上記分類でいうと①)、どうやっても通らないものは通らないものです(同③)。どうやっても通らないものを通るようにするのが社労士の仕事ではありませんが、そういう誤解を与えるような表現なのでやめた方がいいと当職は思います。

ですので、例えば、③の人が「当事務所の受給率は90%!!」みたいなサイトを見たら自分もこの事務所に依頼したら90%の確率で受給できるようになるんだー!って思うでしょう、普通は。

でも、恐らくそれはその事務所はそういう意味で書いているのではないはずです。

おわりに

まぁ、同業から見ると、受給率ってなんかコスい感じの集客方法やなぁ、要するに取り組みやすいものだけ取り組んでるってことやろ?!という感想です。

ですので、うちは受給率という指標を重視していないというか、そういう概念を認めていないということもあって計算をしたこともありませんし、計算の仕方もわかりません。

ですが、どう転ぶかわからない事案も積極的に引き受けていますし、その結果「いけるかもしれないと思ったがダメだったかー」と最終的にはなってしまう事案ももちろん一定数存在してますが、そういうものだと思っています。