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マルファン症候群

『障害年金 審査請求・再審査請求事例集』に掲載の、循環器疾患による認定事例です。

事例 女性・29歳(申請時点)
申請:平成26年
結果:障害厚生年金3級(認定日請求)

12歳頃に同病名で診断を受け、18歳頃まで定期的に経過観察で通院されていた。その頃も大きな自覚症状もなく、投薬もなかった状況であり、それ以降は定期での通院は不要であるということとなった。
その後、21歳の頃に現在の勤務先に就職(厚生年金加入)し、通常通り生活していた。またその間の健康診断も以上の指摘は無かった。
ところが、26歳時に安静時にやや強い動悸が起こりその次月の健康診断で心電図及び心雑音の異常を指摘される。そしてすぐに医療機関を受診したところ、僧房弁閉鎖不全症と診断され、それ以降定期的に経過観察受診を開始する。重い荷物を持つことや走ったりすることは医師から禁止されており、投薬も開始することとなったが、人工弁などの手術はまだ年齢のこともありその時機ではないとされている。

当事務所による解決

ご依頼者様は当初の段階では、すぐに申請したいということではなく、将来的に申請が可能なのかという事やその際の準備は何なのかといったことでご相談にいらっしゃいました。やはり将来的に人工弁の手術をした時に、ということをイメージされておられるようでした。

ですが、お話を聞いているとすぐ申請して受給できる可能性は十分あると当職の方で判断し、申請しました。非常に大変で時間がかか理想だと予想はしていまして、事実そうなりましたが、しかし結果としては何とか受給できました。

人工弁ではないから申請できないということではないということはご説明しました。しかし、現状就労しているので2級以上で認定されるというのもまず難しいと。とすれば、障害厚生年金3級の受給は可能なのだろうかということを検証しました。

超えなければならない大きなハードルは、未成年時にすでに診断を受けているという事実です。普通にやれば20歳前障害による障害基礎年金での申請となりますし、一般の方が年金事務所へ行けばそれありきで説明されるケースだと思います。

そこで、こちらが主張したのはいわゆる「社会的治癒」という法理です。
多くの社労士がネット上でこれについて述べているということもあって、一般の方からお問い合わせを頂くこともありますが、使い方によって強力な武器になりますが、簡単に使いこなせる武器でもないので誤解が多くみられるという印象があります。

今回のケースでは、①実際に約7年間の未受診期間があること②その間大きな症状もなく服薬の必要もなかったこと③健康診断でも異常がなかったこと等の事情を元に18歳~26歳までは治癒していた期間として申請したところ、その主張は認められました。

このことにより、障害厚生年金の受給の道は開かれたのですが、しかしながらその上で等級は3級にも該当していないとして一旦は不支給処分となりました。
この後のことは、『障害年金 審査請求・再審査請求事例集』にて記載しております。医学的にも非常に難しいところだったと思いますが、最終的には当職の狙い通りの結果が得られて、ご依頼者様にもご満足いただけました。

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